1億円資金調達の介護ICTツール比較サイト「介護のコミミ」運営 早坂祐哉氏インタビュー(前編)

1億円資金調達の介護ICTツール比較サイト「介護のコミミ」運営 早坂祐哉氏インタビュー(前編)

最終更新日 2022.11.18

介護職員に寄り添う姿勢は崩さない

契約されているベンダーのツールのみ掲載されていらっしゃるのですか?

そうですね。登録されている製品に対して口コミができます。

掲載されているツールが数多くある中で、ユーザーが参考にするものの一つにランキングがあるかと思います。サイトトップに表示しているランキングは、なせ口コミ数順なのでしょうか?

「介護のコミミ」サイトトップ。右上に「口コミ数ランキング」が表示されている。
介護のコミミ」サイトトップ。右上に「口コミ数ランキング」が表示されている。

最初はサポートランキングやコスパランキングなど、細かくいろいろ分類していました。今は落ち着いて、口コミ数ランキングに限定しています。
サポートの良さやコスパなどの評価には主観が入ってしまうので、事実を反映しにくいです。一方、口コミ数に関しては、いかに注目を集めているかを事実として反映しており、ユーザーだけでなくベンダーの方々も納得できる指標です。

ただ実を言えば、極論、ランキングだけで判断して欲しくないと思っているところがあります。ツールの品質というのは、ベンダーの努力によって変わっていきます。「少し前までは悪い口コミばっかりだったけれど、改善して良い口コミが増えていく」などのケースもあります。

口コミは、批判的な内容であったとしても、そのまま掲載されていらっしゃるようですが、そこにこだわりがあるのでしょうか?

ありますね。もちろん、あまりにも内容に信憑性がなかったり、根拠が分からなかったりする口コミもあるので、その場合はベンダーに事実確認をした上で、削除するかどうか判断しています。ただし基本的には、批判的な口コミも残す、かなり強気のスタンスをとっています。ベンダーと介護職員、もちろんどちらも大事にしておりますが、どちらかといえば介護職員よりの立場でいるためです。

ベンダーから、「口コミを消して欲しい。口コミを消したら契約する」と言われたこともありますが、その際はハッキリお断りしました。ただ結局、先方から逆に連絡を頂いて、契約をしてくれました。

例え批判的な口コミであっても、ユーザーにとって事実であれば大事にしています。その代わり、ベンダーからはしっかり返信できるようにしてるんですよ。それは、ベンダー側からも反応する機会を与えないとフェアではないと思うためです。口コミの中にはベンダーがしっかり反論してるものもあります。例えば、とあるツールに不具合が発生してかなりフラストレーションが溜まってる介護職員がいたのですが、その者に対して「来月のバージョンアップにて対応させていただきます」とベンダーが返信してくれたケースもあります。ただの口コミサイトではなく、しっかりベンダーと介護職員を繋げていくことを意識した作りにしています。

何か参考にしているサイトはありますか。

まだ洗練されてない部分もありますが、色々なサイトを参考にして組み合わせています。ITトレンドやボクシルなど、資料請求ができるサイトは他の業界でもありますので、そういったものを参考にしていますね。

■トピックのまとめ

  • 主観の入らないランキングのみを表示しているが「ランキングだけで判断してほしくない」
  • ツールに批判的なクチコミであっても基本的に掲載する
  • ただの口コミサイトではなくベンダーと介護職員をつなげることを意識している

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臼井 貴紀
● 監修者情報
臼井 貴紀 Usui Kiki
Hubbit株式会社 代表取締役社長。藤田医科大学客員教員。早稲田大学卒業後、ヤフー株式会社に新卒入社。営業、マーケティング、開発ディレクション、新規事業開発など幅広く担当。その後、ベンチャー企業に転職しAIを活用したMAツールの立ち上げを行った後、Hubbit株式会社を設立。高齢者施設に3ヶ月住み込んで開発したCarebee(ケアビー)は、日本経済新聞、NHKおはよう日本、ABEMA PRIME等に出演。
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