ケア業界のパイオニアに道を訊くインタビュー企画、第13弾です。
今回は、在宅医療介護をサポートする「chokowa」を運営する、株式会社CONE・Xi の高木さん、大森さんへお話を伺いました。
この記事の要点
- 患者さんの生活の時間軸にあった看護・介護を提供したい。
- 訪問看護現場の課題を解決する「chokowa」。
- 在宅療養者を守る、地域包括ケアシステムの構築を。
株式会社CONE・Xi×高木氏・大森氏のプロフィール
プロフィール

高木 大地(たかぎ だいち)氏
株式会社CONE・Xi 代表取締役
広島県福山市出身
平成2年生まれ(32歳)
訪問看護現場の作業効率を上げることで、在宅医療難民をゼロにすることをビジョンに掲げる株式会社CONE・Xi代表。
急性期病院を経て、重症心身障害児施設の看護師として従事していた時に、もっと利用者さんの時間に寄り沿いたいという想いから、訪問看護事業所の管理者となる。
実際に訪問看護現場の経験から、新規利用者の獲得の難しさ、移動の非効率さ、スケジュール作成の作業負担に強い課題を感じ、スケジュール作成ツールと新規利用者獲得の営業支援を両立させるシステムを開発中。
目指す世の中として、在宅療養者さんとその家族が訪問看護師を選択・決定できる世界を作るべく、訪問看護師の働き方をサポートし、在宅療養者の時間を守ることを大切にしている。

大森淳史(おおもり あつし)氏
経営学修士(MBA)
帝京大学文学部心理学科卒 発達心理学専攻
岡山大学大学院社会文化科学研究科 修士課程修了 組織経営専攻
岡山イノベーションコンテスト2018 ビジネスプラン部門 一般の部 大賞
20代は上場企業含む営業職、30代はメーカー勤務でバイヤーとして勤務。国内調達/海外調達の実務担当者/責任者を経験。
サプライチェーンの刷新を立案実施。見積もり集計システムを独自に開発し社内運用。
医療介護機器メーカーから介護現場経験を積むために2020年より現役介護職として勤務中。
2022年より株式会社コネクシーに参画。
ライフワークとして、「幼老共生社会の実現」を掲げる。
会社概要

・会社名:株式会社CONE・Xi
・設立:2017年10月
・事業内容: chokowa(チョコワ):在宅医療介護の営業コストとミスマッチを無くすプラットフォームサービス/医療介護コンサルティング事業
株式会社CONE・Xiとは?
株式会社CONE・Xiは、「心に描く、想いを繋ぐ。」という理念のもと、在宅医療介護事業へのコンサルティングや「chokowa」というサービスの開発・運営を行っています。
「chokowa」とは?

自宅で生活する利用者様の時間軸に寄り添う在宅医療介護をサポートすべく開発されたサービスです。「chokowa」を通して、在宅医療介護事業所の訪問エリアやルートの最適化、医療介護従事者の副業/復職支援などを行っています。
「CONE・Xi」のロゴに込められた想い

「connection(コネクション)」と「sympathy(シンパシー)」という単語からできた名前で、「想いをつなげる」という意味が込められています。
患者さんの生活に対する希望や想いを、看護師や介護職など多職種でしっかり連携して繋いでいく環境を構築したいという想いからこの企業名にしました。
また、企業名の「O」には磁石のようにつなげるという意味合いがあるのですが、青と赤の色は「動脈と静脈」も意味しています。
我々は現状に満足せずによりこの業界の”血の流れ”を良くしていきたいという想いが込められています。
高木さん、大森さんへのインタビュー
株式会社CONE・Xi 高木さん、大森さんへのインタビューをお楽しみください。(以下敬称略)
自分の看護観を大切にした結果、起業に。
——高木さんは看護師としてご活躍されていたとか?
(高木)元々は病院の看護師として働いていました。
病院には病院の時間軸があるので、職員も患者さんの生活も病院の時間軸に合わせなければなりません。
例えば、おむつ交換の時間や食事の時間などが病院の1日のスケジュールで決まってしまうのです。
当たり前のことかもしれませんが、よく考えてみると、食事の時間だからという理由で食欲がなくても食べてもらったり、おむつ交換の時間だからという理由で排泄の有無に関わらず確認し、恥ずかしい思いをさせる現状は、私の看護観と合っていないな、と感じていました。
そこで、いつか患者さんの生活の時間軸に寄り添える看護をしたいと考えるようになり、訪問看護に出会いました。

——コネクシー社を立ち上げた経緯について教えてください。
(高木)その後、訪問看護を経験する前に、株式会社コネクシーを立ち上げました。
病院に勤務する看護師は、上司に自分たちの想いや看護観を伝えても、現場を変えることは困難というもどかしさがあります。
そのため、理事長や病院長と直接お話しをする機会を得る、業界全体を良くしていくことを考えた際、自分自身がトップに立たなければならないと考え、起業に至りました。
起業後は、医療・介護事業所のコンサルティング事業で訪問看護事業所の立ち上げ支援などを行っていましたが、自分自身も管理者としての経験が必要だと考え、実際に訪問看護事業所の立ち上げ・運営も行いました。
——大森さんがコネクシー社に参画したきっかけを教えてください。
(大森)株式会社コネクシーとの出会いは、岡山県で行われていたベンチャー企業向けの勉強会がきっかけでした。
元々私自身は介護分野のスポットワークに関する領域で貢献できないかと考え、勉強会に参加していました。
高木さんは医療分野での新たな事業を始めるために同じ勉強会へ参加していました。その勉強会にて、参加者がそれぞれのビジョンを発表する場があり、高木さんのビジョンを聞いて共感し、参画するきっかけになりました。
話していく中で、二人のビジョンを合わせると「医療+介護」という形で、地域を支えることが可能になるのではないかと思いました。

——現在のコネクシー社の事業内容についてもう少し詳しくお聞かせください。
(高木)医療・介護事業所のコンサルティング事業から始まり、現在も続いています。
訪問看護事業所の立ち上げから運営のサポートまで行っており、今後は運営サポートにより注力したいと考えています。
中でもBPOといわれるバックオフィス業務のサポートを強化していきたいのですが、その中でも訪問スケジュール作成や新規利用者獲得に向けた営業代行という2つの軸をメインとして事業展開をしていきたいです。
そのために「chokowa」というサービスを開発・運用していますが、今後より使用しやすいシステムにするという軸のもとで、将来的にはこのサービスを全国で使用してもらえるように展開していきたいと思っています。
▶経験を積む中で見えてきた、訪問看護の課題。
