この記事の要点
- スマートウォッチで遠距離の親を見守る方が増えている
- スマートウォッチで使える見守り機能は健康管理機能・GPS機能・緊急通報機能
- おすすめスマートウォッチ7機種を紹介
- スマートウォッチは介護施設の見守り業務にも使える
遠距離介護をしている方の悩みのひとつが「どのように親の健康と安全を見守りしていけば良いか」だと思われます。
スマートウォッチを使えば、遠距離にいる親の健康状態やいざというときのSOSを手元のスマートフォンでキャッチできるかもしれません。
今回は遠距離介護の強い味方である、スマートウォッチについて解説します。
目次
スマートウォッチとは

スマートウォッチとは、スマートフォンと連携させて使用する腕時計型のウェアラブル端末です。
機器に内蔵されたセンサーで人の動きやバイタル情報を検知し、情報を分析してするスマートツールの一種です。このような機器はスマートウォッチ以外にもいろいろな種類があります。
これまでAIケアラボはさまざまなスマートツールを紹介してきました。今回の記事とあわせて参考にしてください。
▶高齢者でも簡単に命令できるスマートホーム技術 イノベーションより使いやすさ重視
▶センサーで人の動きを検知する「スマートカーペット」 高齢者の転倒や社交性など検出・分析
▶視覚障害者でなくても欲しい「スマート杖」とは
▶ウェアラブルとは何か?ウェアラブルデバイスの種類や出来ること
スマートウォッチが高齢者の見守りに活用できる

近年、スマートウォッチを高齢者の見守りに活用している方が増えています。
スマートウォッチをはじめとするスマートツールは、離れた場所でも機器を操作したり、機器が収集した情報をスマートフォンで確認することができます。
つまりスマートウォッチを高齢者に装着してもらえれば、高齢者の行動や状況などを遠方にいながら見守ることができます。
高齢者向けスマートウォッチで使える機能

スマートウォッチには、電子マネー決済や音楽再生などさまざまな機能が搭載されています。
今回はその中でも、高齢者見守りに適したスマートウォッチの機能を紹介します。
健康管理機能
スマートウォッチには装着者の心拍数や消費カロリー、歩数などをモニタリングして、健康管理に役立てられる機能があります。
また機種によっては血中酸素濃度や睡眠の質を測定できる機能も備えられています。
高齢になると毎日の健康状態のチェックは欠かせません。スマートウォッチで健康管理を行えば、病気などにもいち早く気づける可能性があります。
スマートウォッチの健康管理に関する研究については以下の記事をご覧ください。
▶ウェアラブルデバイスは高齢者の「歩行速度」を改善し、健康状態を向上させる
GPS機能
認知症になった高齢者は、症状が進むにつれて徘徊などの逸脱行動が現れてくる場合があります。
自宅から行方不明になってしまい、交通事故等で命を落とす高齢者の痛ましいニュースをご覧になった方も多いでしょう。
認知症高齢者が徘徊等で行方不明になったとしても、スマートウォッチのGPS機能により早期発見して事故や事件を防げる可能性があります。
スマートホームとAIを使って認知症高齢者の逸脱行動を検出する研究もなされています。詳しくは以下の記事をご覧ください。
▶AIとセンサーで認知症高齢者の行動・心理症状を検出。韓国の研究グループが開発
緊急時通報機能
緊急時通報機能とは、高齢者自身が危機を感じたときに自分でSOSを発信したり、スマートウォッチが受けた衝撃を検知して自動的に通報できる機能です。
足腰の弱った高齢者の場合、転倒事故の危険が常につきまといます。転倒して自力で立ち上がれない状態になると、保護や治療等が遅れて最悪の事態にもなりかねません。
万が一の事態が起きた際にSOSメッセージが送れる機能は、高齢者のみが暮らす世帯にとって必須とも言える機能です。
なお最新の研究では、歩行器にセンサーを付けたスマート歩行器で転倒事故自体を避けようとする試みもされています。詳しくは以下の記事をご覧ください。
▶歩行器・歩行車にAIが搭載されスマートロボット化するとどうなるのか
高齢者向けスマートウォッチの選び方

高齢者向けのスマートウォッチを選ぶ際には、どのような点に気を付けたら良いでしょうか。
ここでは2つの観点をお伝えします。
見やすく操作しやすいもの
高齢者向けにスマートウォッチを購入する際は、画面がシンプルで操作しやすいものを選びましょう。
スマートウォッチは小型で身につけやすい反面、視力が落ちてきた高齢者の方は操作しづらいことがあります。
文字サイズや画面表示を変更できるスマートウォッチであれば、使用する方に合わせて見やすく調整することができます。
また、音声で操作できる機能があれば、タッチパネルの操作に不安がある方でも使いやすいでしょう。
使用環境に合わせた接続方式のもの
スマートウォッチはインターネットに接続して使用します。
インターネットとの接続方式は大きく分けて、SIM接続タイプ、Wi-Fi接続タイプ、Bluetooth接続タイプ、単体使用可能タイプの4種類あります。
SIM接続
SIM接続の場合は、SIMカードを別途購入して使用します。
スマートウォッチ単体でインターネットに接続できるので、スマホを持っていない方やご自宅にWi-Fi環境が整備されていない方に適しています。
ただし、個別で通信料を支払う必要があるため注意が必要です。
Wi-Fi接続
Wi-Fi接続の場合は、Wi-Fi環境があれば自由にインターネットを使用できます。
追加の通信料がかからない点がメリットですが、外出中などWi-Fi環境がない場所では接続が切れてしまいます。
Bluetooth接続
Bluetooth接続のスマートウォッチは、スマホと連携することで、Wi-Fi環境がなくてもデータ通信を行える点が特徴です。
Bluetoothは短距離の無線通信なので、スマートウォッチとスマホを常に近くに置いておく必要があります。
普段からスマホを使用している方や、ご自宅のインターネット環境が整っていない方におすすめです。
単体使用可能タイプ
BluetoothやWi-Fiで接続しなくても、単体で使用できるスマートウォッチもあります。
機能が限定されており、シンプルで使いやすいのが特徴です。
ウォーキングやスイミングなどの際に活動量を計測したい方にはぴったりでしょう。
高齢者見守りにおすすめのスマートウォッチ7選

ここからは、高齢者の見守りにおすすめのスマートウォッチ7機種を紹介します。
なお、以下で紹介する各スマートウォッチの価格は2023年9月時点での参考販売価格を掲載しています。価格変更の可能性や、機種自体が販売終了する可能性もありますことご了承ください。
※商品情報に関してはメーカー製品サイトのあるものは製品サイト、製品サイトのないものは販売サイトのリンクを記載しています。
1.Galaxy watch4 classic

画像引用:購入する Galaxy Watch4 Classic (46mm) Silver | Samsung Japan 公式
高齢者の見守りにおすすめのスマートウォッチ1つ目は「Galaxy watch4 classic」です。
サムスン電子社製のGalaxy watch4 classicは、緊急時にGPS位置情報を含むSOSメッセージをあらかじめ登録した連絡先に送信できる機能があるスマートウォッチです。
転倒検知機能やGPS自動接続機能もついています。
ブランド名 | Galaxy |
商品情報 | Galaxy Watch4 Classic |
参考販売価格(2023年9月時点) | 40,500円(税込)※アマゾン |
2.HUAWEI WATCH 3

画像引用:HUAWEI WATCH 3 取扱説明書とよくあるご質問 | HUAWEI サポート 日本
高齢者の見守りにおすすめのスマートウォッチ2つ目は「HUAWEI WATCH 3」です。
HUAWEI WATCH 3は高齢者が自分で操作しやすい大きな画面が特徴的なスマートウォッチです。
日常的な健康状態をスマートフォンのHUAWEI Healthアプリで管理できるだけでなく、転倒検知機能や緊急時通報機能も備えています。
ブランド名 | HUAWEI |
商品情報 | HUAWEI Watch 3 |
参考販売価格(2023年9月時点) | 39,980円(税込)※アマゾン |
3.GanRiver活動量計

画像引用:Amazon
高齢者の見守りにおすすめのスマートウォッチ3つ目は「GanRiver活動量計」です。
GanRiver活動量計は細長い形状で、就寝時に付けたままでも邪魔にならないスマートウォッチです。
日中の活動時間帯に使用者があまり動かないままでいると「座りすぎ注意」と警告するなど、高齢者の活動をうながす仕組みがついています。
市場価格は他のスマートウォッチに比べて低価格なので、見守りスマートウォッチを初めて導入する方におすすめです。
ブランド名 | Gan River |
商品情報 | GanRiver活動量計|アマゾン販売サイト |
参考販売価格(2023年9月時点) | 3,999円(税込)※アマゾン |
4.GARMIN Venu Sq 2

画像引用:Venu Sq 2 | スマートウォッチ | Garmin 日本
高齢者見守りにおすすめのスマートウォッチ4つ目は「GARMIN Venu Sq 2」です。
GARMIN Venu Sq 2には事故検出・援助要請のセーフティ機能がついています。
また本製品はSuica対応機種のため、小銭などの計算が難しくなってきた高齢者が買い物の際に使えます。買い物額がSuica履歴で確認でき、経済的な見守りにも活用が期待できます。
ブランド名 | GARMIN |
商品情報 | GARMIN Venu Sq 2 |
参考販売価格(2023年9月時点) | 39,800円(税込) |
5.Willful SW308

画像引用:楽天市場
高齢者の見守りにおすすめのスマートウォッチ5つ目は「Willful SW308」です。
Willful SW308はスマートフォンなしでも使えるスマートウォッチです。
Bluetooth環境が必要なく、アプリをインストールする必要もありません。市場価格も安価なため、余分な機能が必要なく、同居している高齢者の健康管理を近くで見守りたい家族におすすめです。
ブランド名 | Willful |
商品情報 | Willful SW308|楽天販売サイト |
参考販売価格(2023年9月時点) | 2,680円(税込)※楽天 |
6.Fitbit Versa 2

画像引用:Amazon
高齢者の見守りにおすすめのスマートウォッチ6つ目は「Fitbit Versa 2」です。
Fitbit Versa 2にはAlexaが搭載されているため、スマートホームのように使えるスマートウォッチです。
バッテリーの持ちが良く、通常稼働の状態で6日間以上使用できます。
ブランド名 | Fitbit |
商品情報 | Fitbit Versa 2|アマゾン販売サイト |
参考販売価格(2023年9月時点) | 16,200円(税込)※アマゾン |
7.Apple Watch

画像引用:Apple Watch
高齢者の見守りにおすすめのスマートウォッチ7つ目は「Apple Watch」です。
スマートウォッチの代表的なブランドの1つであるApple Watchにはさまざまな製品がラインナップされています。
普段iPhoneを使用している人にとっては使い勝手が良いので、高齢者家族の見守り用にスマートウォッチに採用した場合にも使い方説明などがやりやすいことが期待できます。
ブランド名 | Apple |
商品情報 | Apple Watch |
参考販売価格(2023年9月時点) | 37,800円(税込)から※Apple Store |
介護施設でも活用されるスマートウォッチ
ここまで紹介してきたスマートウォッチは個人向けですが、介護施設などにもスマートウォッチは活用されようとしています。
ソフトウェア開発企業のネットフォースは、スマートウォッチを使って入居者のバイタル見守りができるサービスを介護施設や医療施設向けにはじめました。
複数の施設入居者の心拍数や血中酸素濃度などのバイタルデータをクラウドに収集して一元管理し、何かあればアラートが通知されるため迅速な現場対応が可能になります。
これからは介護職員の見守り業務をスマートウォッチで行う時代になるかもしれません。
まとめ
今回は高齢者の見守りに活用できるスマートウォッチについて解説しました。
遠距離介護をしている方にとっては、高齢の親の健康状態や安全が常に心配になるものです。
スマートウォッチを使ってその心配を少しでもやわらげ、離れていても温かい見守りを続けていきましょう。
