ケア業界のパイオニアに道を訊くインタビュー企画、第23弾です。
今回は、老人ホーム検索サイト「シニアnet介護」や介護施設検索アプリ「介護マップ」を運営する、クラーシの中村さんにお話を伺いました。
この記事の要点
- 「シニアnet介護」は関西圏に特化した老人ホーム検索サイト
- 「介護マップ」は介護施設を探す人・介護業界で働く人の双方に利便があるアプリ
- 2023年法人化を機にクラーシの事業はさらに拡大する予定
クラーシ 中村氏のプロフィール

中村 圭希(なかむら よしき)氏
1995年生まれ。大阪府出身。
2017年にインテリア会社に入社。商品開発部署で商品企画やデザイン、海外営業などに従事。
2018年より、フリーランスのマーケターとして活動。2021年から介護業界に参入。介護分野のInstagramやnoteなどのSNSアカウントを開設、運用。その他にも老人ホーム検索サイトやアプリをリリースした。
インタビュー(以下、敬称略)
クラーシが提供するサービス
——まずは、クラーシさんの概要についてご説明ください。
中村:私たちクラーシは、老人ホームの紹介事業など高齢者の生活を支援するサービスを行っている団体です。今年2023年には株式会社に法人化する予定で、現在はその準備に追われています。
クラーシの事業は主に3つありまして、1つは高齢者施設の紹介事業。もう1つは老人ホーム検索サイト「シニアnet介護」の運営、そして介護系アプリ「介護マップ」の運営です。
——今回はクラーシさんの事業の中から、老人ホーム検索サイト「シニアnet介護」と介護系アプリ「介護マップ」を中心にお話を伺わせていただきます。
中村:はい。
関西圏に特化した高齢者施設紹介「シニアnet介護」
——「シニアnet介護」とはどのようなサービスなのでしょうか?
中村:「シニアnet介護」は老人ホームの検索サイトです。
ポータルサイトと各種ソーシャルメディアを使って、高齢者ご本人とご家族が老人ホームを簡単に見つけられるようにしています。

——どの地域の老人ホームが探せますか?
中村:関西圏の老人ホームです。
——関西圏に特化した検索サービスなんですね。「シニアnet介護」には老人ホームの検索以外にも機能はあるのでしょうか。
中村:SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)で介護サービスに関する最新情報や、高齢者になると病気のリスクも増えるので、高齢者がかかりやすい病気に関する情報なども配信しています。
「介護マップ」は介護を利用する側と介護を提供する側の両方が使えるアプリ

——「介護マップ」についてもサービス内容をお聞かせいただけますでしょうか。
中村:「介護マップ」は日本全国にある介護施設を地図上で探せるアプリです。スマートフォンのGPSを使って、現在地から近くの介護施設を探すことができます。
また現在地からでなくても、場所を指定すればその近くの介護施設が検索できます。
——「介護マップ」の方は全国展開なんですね。介護施設の種類は老人ホームだけですか?
中村:老人ホーム、病院、老人保健施設、デイサービスなど、種類ごとに絞り込んですべての福祉施設が検索できます。
——「介護マップ」には高齢者施設の検索以外にも機能がありますか?
中村:エンドユーザー向けの高齢者施設検索以外にも、介護職員や介護施設の責任者向けにカレンダー機能・シフト管理機能を搭載しています。

——介護施設で働いている方にとっても便利なアプリなんですね。
中村:介護職員さんはシフトが複雑なんですよね。シフト管理もまだ紙で管理しているところが多いですし、アプリで管理できたら便利じゃないかなと思い機能を搭載しました。
カレンダー機能は仕事のシフトだけでなくプライベート用のカレンダーとしても使え、夜勤などの決まった入力項目はワンタップで入力できます。
従業員シフト管理については、施設長やサービス管理者がスタッフのシフト割り振りを簡単に行えるよう、利便性を重視しています。
——検索できる高齢者施設のデータは独自で収集しているのでしょうか。
中村:公的データを元に、我々が独自収集した日本全国の施設情報が掲載されています。
クラーシ創業者の想い
——クラーシさんの代表は中村さんのお母様だそうですね。お母様は福祉施設に勤務経験あるとのことですが、やはりクラーシを創業したきっかけはお母様の仕事からでしょうか?
中村:それもありますが、私の祖母が10年ほど前に介護が必要な状態になり、そのとき母が施設を探すのに非常に苦労したことがきっかけです。

——福祉施設で働いているプロといえども、実際に介護施設を探すのは困難なんですね。
中村:はい。なので高齢者施設を探している方がもっと簡単に使えるポータルサイトを作り、ソーシャルメディアなどからポータルサイトにアクセスできる仕組みが必要だと考えました。
——そのお母様の想いに共感して、中村さんもクラーシに参加されたわけですね。
中村:私は元々フリーランスでマーケティングの仕事をしていたので、人が情報を求めているときにその情報を見つけやすくする手段としてソーシャルメディアの活用に目を付け、その辺りを手伝うためにクラーシに参画しました。
