ケア業界のパイオニアに道を訊くインタビュー企画、第10弾です。 今回は、学生と福祉施設を結ぶサービス「musbun」を運営する、株式会社musbun 代表の鈴村さんへお話を伺いました。
この記事の要点
- 学生と福祉施設をむすぶサービス、「musbun」
- サービス誕生のきっかけは、福祉施設のボランティアに参加した時に福祉人材不足を知り、何とかしたいと思ったため
- 学生と福祉施設からの声を励みに全国展開を目指している
株式会社musbun×代表 鈴村 萌芽氏のプロフィール

プロフィール
鈴村 萌芽(すずむら もえみ)氏
愛知県出身の大学生。
幼少期から高齢者にかわいがってもらい育った経験から、高齢者に”食”を通して恩返しをしたいと大学へ進学。
在学中に参加した福祉施設のボランティアで介護の魅力を体感し、より多くの学生に知ってもらいたいという想いから「musubun」というサービスを考案。
その後大学を休学し、2021年11月に株式会社musbunを設立。
2022年1月、ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト – JHeC 2022のアイデア部門で優秀賞を受賞。
同年3月に日経ソーシャルビジネスコンテストにて学生部門賞を獲得。
会社概要

・会社名:株式会社musbun
・設立:2021年11月22日
・事業内容: 情報サイト「musbun」運営
株式会社musbunとは?
株式会社musbunは、学生と福祉施設をつなぐ情報サイト「musbun」を運営しています。
「musbun」とは?
福祉のボランティア・インターンシップ・アルバイトなどの募集情報を提供するサービスで、学生と福祉事業者をむすぶサービスです。
学生と福祉施設が直接やり取りできるチャット機能や、スカウト機能を搭載しています。
現在、利用料金は掲載者への年間利用料のみとなっています。

「musbun」のロゴに込められた想い
鈴村さんが一番好きな動物が象で、思いやりあふれる優しい性格の象をロゴに使用しているそうです。
黄色はパワフルで元気な学生をイメージして、緑は平和という意味合いから施設の方々をイメージして、お互いを結ぶように象の鼻同士が結ばれているロゴになったそうです。
鈴村さんへのインタビュー
株式会社musbun 代表 鈴村さんへのインタビューをお楽しみください。
お世話になったお年寄りに恩返しをしたい、が全ての始まり。
——鈴村さんはなぜ、福祉に興味を持たれたのでしょうか?
高齢者が多い地域で育ったということもあり、小さい頃、多くのお年寄りにかわいがってもらいながら育ちました。
その経験から、ずっとお年寄りの方々に恩返しをしたいな、という想いが芽生えました。
高校生で大学進学を考え始めた頃、高齢者との会話で「食」に関する内容が多かったことを思い出し、「食」を通して高齢者の方に恩返しできればと考え、管理栄養学科を専攻しました。
現在は大学を休学し、musbunの立上げに集中しています。大学3年生の2021年11月に会社を設立しました。

——栄養学を学んでいた鈴村さんが、なぜ、学生で起業に至ったのでしょうか?
大学1年生の時に、「今すぐできることって何だろう?」と考えていた時に、たまたま介護施設のボランティア募集のチラシを見かけて、「これなら自分でもできるかも。」と思い、参加しました。
このボランティアの経験が(musbun開発の)原点となるのですが、そこで初めて現場の人手不足を痛感し、この課題を解決する方が、より恩返しになるのではないかと思い始めた経験でした。
元々起業とは無縁で、自分が起業するなんて考えてもいませんでした。ボランティア活動で福祉現場の人手不足を痛感して、何かできることはないかと考えたものの、1人でできることの限界を感じ、モヤモヤする日々を送っていました。
そんな時に、たまたま友人にビジネスコンテストに誘ってもらい、そこでビジネスとして社会の課題解決に取り組んでいる方々を見て、「仕組みとして変えていくことで、(福祉現場の人材不足)課題解決が可能なのではないか。」と思ったのが起業しようと思ったきっかけです。なので、ビジネスコンテストに誘ってくれた友人には本当に感謝しています。
▶“むすぶ”をテーマに生まれた、musbun。
