世界の「介護+AI」の研究論文を読んでみよう!論文の探し方・役立て方

世界の「介護+AI」の研究論文を読んでみよう!論文の探し方・役立て方

この記事の要点

  1. 介護とAIに関する論文はたくさん存在する
  2. 「介護+AI」の論文は図書館やインターネット上の論文データベースで探せる
  3. 「介護+AI」の論文は実際の介護業務にも役立てられる
  4. 「介護+AI」の論文を読んで知的好奇心を満足させよう

AIを生活に役立てるための研究は日進月歩の勢いで進み、その研究成果は介護分野にも活用されています。

介護のAI活用に関する研究は論文を読めば知ることができますが、どこでその論文を探せばよいのでしょうか。

また論文は独特の難しい言い回しや専門用語が多く、一読しただけではなかなか理解が難しいものです。

今回は介護とAIに関する研究論文の探し方と役立て方を説明しながら、当サイトでこれまで紹介してきた論文も紹介します。

当サイトの記事は論文の要旨がわかりやすくまとめているので、ぜひご一読ください。

世界中の研究者がAIの介護活用を研究中

日本だけでなく、世界中で高齢化は急速に進展しています。

それは、これまで高齢化の傾向があった先進国ばかりでなく、開発途上国においても今後は高齢化が進むと考えられています。

つまり、高齢化による介護及び介護予防は世界中の国が意識していかなければいけない問題です。

そのため世界中の研究者は、介護をどのように効率化するか、介護の効率化のためにAIやIT技術をどう活用していけば良いかを、日々研究しています。

「介護+AI」論文の探し方

論文は学会やシンポジウムなどの講演論旨や、論文が掲載された学術誌(ジャーナル)で読むことができます。

しかし世界中で発表される多数の論文から、介護とAIに関する論文だけを探すことはとても大変です。

できるだけ簡単に必要な論文を探すための方法をいくつか紹介します。

国立国会図書館で探す

国立国会図書館では、日本国内で発表された博士論文を収集および保存しています。

原則として18歳以上の人であれば誰でも利用でき、図書館のレファレンスサービスによって必要な論文探しの相談も可能です。

ただし2022年3月現在では新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、1日あたりの入館者数が制限されている可能性があります。事前に最新情報をご確認ください。

来館せずに利用できるサービスとして、国立国会図書館デジタルコレクションの利用もおすすめです。

国立国会図書館デジタルコレクションには1万6千点以上の博士論文がデジタル資料として保管されており、自宅からインターネットで検索・閲覧できます。

参考:国立国会図書館デジタルコレクション

Google Scholarで探す

Google Scholar(グーグルスカラー)は、検索エンジンの最大手Googleが提供する論文検索サイトです。

通常のGoogle検索と同様に検索バーにキーワードを入力するだけで、キーワードに関連する論文が検索できます。

日本語だけでなく英語その他の多言語で書かれた論文も網羅的に検索できるため、海外の研究論文を探したい人におすすめです。

検索結果画面の右側に「PDF」と表示されている論文は、Google Scholarから論文を直接ダウンロードできます。

参考:Google Scholar

CiNii Articlesで探す

CiNii Articles(サイニーアーティクル)は、国立情報学研究所が提供している論文データベースです。日本語で書かれた論文および日本国内で発表された博士論文が検索できます。

CiNii Articles上で公開されていない論文もありますが、論文が掲載されている書籍や雑誌を所蔵している図書館の情報を調べることができます。

CiNii Articlesと上記で紹介した国立国会図書館を、うまく組み合わせて利用しても良いでしょう。なおCiNii Articlesは、2022年4月1日よりCiNii Researchと一本化される予定です。

参考:CiNii ArticlesCiNii Research

J-STAGEで探す

J-STAGE(科学技術情報発信・流通総合システム)は、国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST)が運営する電子ジャーナルプラットフォームです。

科学技術に関連する日本国内の論文やジャーナル(研究雑誌)がインターネット上で公開されています。

J-STAGEで公開されている9割以上の論文や刊行物は無料で閲覧できます。またJ-STAGEでアカウント登録すれば、検索条件の保存や、関心のある資料の最新号が発行されたときに通知を受け取れます。

アカウント登録は無料ですので、J-STAGEを利用する際はぜひ登録をおすすめします。

参考:J-STAGE

翻訳サイトで海外の論文も読解可能に

最近では「DeepL翻訳」や「Google翻訳」といった無料で利用できる翻訳サイトの翻訳精度が上がっています。

海外の論文も翻訳サイトを通せば簡単に読めるようになるので、ぜひ活用してみてください。

「介護+AI」論文の役立て方

上記の方法で介護とAIに関する論文を探し出した後は、読んだ論文をどのように自分の身に役立てていけばいいのでしょうか。

根拠(エビデンス)を得る

研究者は研究するときに、ある仮説を立てて、その仮説が正しいかどうかを科学的手法に基づいて検証します。

介護へのAI活用に関する研究でも、対象のAIシステムが実際に介護に際して有益なものなのかを、実験や調査によってデータを収集し証明するのです。

つまり論文に書かれた研究結果は、介護職員が実際に行う介護手法の根拠(エビデンス)にもなり得ます。

介護職員が実際に業務でAIを役立てるシーンでも、データの裏付けがあることで自信をもって介護業務が行えるでしょう。

ノウハウを共有する

それぞれの介護職員が独自に持っている介護のノウハウやコツは、これまでほとんど共有されてきませんでした。

介護事業所のリーダーや同僚から指導やアドバイスは受けられても、他の介護事業所ではどのように業務を行っているか、どのような効率化を実践しているかはあまり知ることができません。

介護関連の研究論文を読むと、研究対象となった要介護者の状況や、他の介護事業所などの取り組みをうかがい知ることができます。

新たな気づきを発見する

介護とAIの研究をしている研究者は、ほとんどが介護業界以外に属している人たちです。

大学教授や研究員、またはIT技術者など、介護業務にたずさわっていない第三者の知見は、ときに新たな気づきを与えてくれます。

さまざまな研究論文をとおして幅広い視点から「介護」を眺められる点は、実際に研究結果が役立つかどうかに関係なく、有益なものになると考えられます。

AIケアラボが最新の論文をわかりやすく解説

論文説明メディアのイメージ

当サイト「AIケアラボ」では、介護に関するさまざまな情報や、AIやIT技術を介護に活用する方法を紹介しています。

AIの介護活用に関する最新の研究結果についても、世界中で発表された論文をわかりやすくお伝えできるよう心がけています。

以下は2022年3月までにAIケアラボが紹介した研究論文のほんの一部です。

これからもAIケアラボでは有益な論文発表を随時紹介していきますので、「#AI」や「#介護」などのハッシュタグから興味のある記事を探してみてください。

・イタリア・バーリ大学Nicola Amoroso研究グループの発表論文
AIによる「脳の老化」分析 脳年齢に影響を与える部位とは 最新研究を紹介

・イランAlireza Roshanzamirグループの発表論文
認知症のリスクはAIの技術でわかる イラストテストの回答を分析し、約88%の精度

・韓国・慶明大学研究グループの発表論文
「せん妄」の早期発見は可能か AI技術で危険因子の分類に成功

・ブラジルMarcio Rene Brandao Soussa研究グループの発表論文
独居(一人暮らし)高齢者の健康・安全は見守りセンサーとAIで守られていく

・韓国Xiaoqun Yu研究グループの発表論文
突発的な「転倒」、AIの技術で防ぐ 転倒の生まれる過程をリアルタイムに追跡

・台湾・南台科技大学研究グループの発表論文
高齢者の薬飲み忘れ・飲み間違いを防ぐ 視覚障害者を助けるスマートグラスとAIの最前線

・オーストラリア・PainChek Ltd社の臨床研究
認知症高齢者の疼痛評価をAI表情分析で行うアプリ「PainChek」

・日本・京都大学 中澤篤志研究グループの発表論文
優しさを伝える介護スキルの習熟度を「AIで評価する」手法を京都大学研究者らが開発

・スペインAlberto L. Barriuso研究グループの発表論文
念じるだけで動かせる車椅子 介護におけるAI・BMI応用の最先端

・イタリア・トリノ大学Adane Tarekegn研究グループの発表論文
高齢者の虚弱(フレイル)をAIで予測 100万人のデータを活用する最新技術

・アメリカ・トロント大学Hamidreza研究グループの発表論文
中期アルツハイマー患者の「混乱」をAIで察知 対話を助ける最新テクノロジーとは

まとめ

今回は「介護+AI」の研究論文の探し方・役立て方を解説しました。

研究論文は難しいと思われがちですが、読んでみれば実際の介護業務に役立てられる点も多く見つけられます。また、先進的な知識を得ることで、より良い介護が実現できるでしょう。

介護とAIに関する論文を読んで、介護に関する視野を広げてみてください。