介護用アシストスーツの使用効果 ーマッスルスーツ・HALの導入施設調査からー

介護用アシストスーツの使用効果 ーマッスルスーツ・HALの導入施設調査からー

最終更新日 2022.11.22

この記事では介護用アシストスーツを実際に使用している現場の状況と、導入にあたってのメリットや注意点について、科学的調査をもとに紹介します。

介護用アシストスーツとは

介護現場で役立つと期待されるアシストスーツ(またはパワードスーツ、パワーアシストスーツ)を導入する事業所は増えてきています。

介護用アシストスーツは、介護現場での介護士の力仕事を支える装置です。被介護者の体を支える作業において腰への負担を軽減する機能などがあります。また重量物を持つなど様々な作業で役に立つため、介護現場以外での活躍も期待されています。

多くのアシストスーツは高額ですが、介護事業所がアシストスーツを導入する際には助成金を利用することができます。助成金については下記で紹介しています。

参考▶︎介護関連の助成金まとめ 介護事業所向け・在宅介護者家族向けにわかりやすく紹介

また、介護用アシストスーツには色々な種類があります。例えばロボット型のものもあれば、ロボット型ではないものもあります。介護用ロボット全般のメリットについては下記で紹介しています。

参考▶︎介護用アシストトスーツのメリット・デメリット・選び方 おすすめアシストスーツ6選

国内だけでも幾つかの介護用アシストスーツが開発・販売されています。本記事で事例として紹介するのは、INNOPHYS(株式会社イノフィス)の「マッスルスーツ」シリーズや、サイバーダイン(株式会社CYBERDINE)の「HAL」シリーズです。

INNOPHYS「マッスルスーツ」

画像は後述する論文より引用

特徴

  • 空気圧を利用した人工筋肉で動作をサポート
  • 電気不使用のため稼働時間に制限なし
  • 軽量設計(重量3.8kg)
  • 装着に必要な時間は10秒
  • 防水、防塵設計のため、水場や屋外でも使用可能

INNOPHYS「マッスルスーツ」の公式ページはこちら

サイバーダイン「HAL®腰タイプ介護・自立支援用」

画像は後述する論文より引用

特徴

  • 移乗介助や体位変換介助などの介助動作時に、腰への負荷を低減する
  • 防水機能があるため入浴介助でも使用可能
  • ユーザーの運動意思を読み取り、意思に従った動作を実現する
  • 装着にかかる時間は最短で10秒
  • 介護者だけでなく被介護者の自立支援にも有効

サイバーダイン「HAL®腰タイプ介護・自立支援用」の公式ページはこちら

現場でどのように役立つか?

利点は把握していても、アシストスーツが介護現場でどのように活躍しているのか実際のところを知りたい方は多いのではないでしょうか。各アシストスーツの導入実績は増えており、各現場で使用効果が明らかになってきています。
国立長寿医療研究センターの加藤氏ら研究者たちは、アシストスーツを24ヶ月以上利用している介護施設で3週間にわたりアシストスーツの利用状況を記録し分析した結果を報告しました。

臼井 貴紀
● 監修者情報
臼井 貴紀 Usui Kiki
Hubbit株式会社 代表取締役社長。藤田医科大学客員教員。早稲田大学卒業後、ヤフー株式会社に新卒入社。営業、マーケティング、開発ディレクション、新規事業開発など幅広く担当。その後、ベンチャー企業に転職しAIを活用したMAツールの立ち上げを行った後、Hubbit株式会社を設立。高齢者施設に3ヶ月住み込んで開発したCarebee(ケアビー)は、日本経済新聞、NHKおはよう日本、ABEMA PRIME等に出演。
フォローする