【ZEST】株式会社ゼスト 代表取締役 一色氏 | インタビュー第22弾

【ZEST】株式会社ゼスト 代表取締役 一色氏 | インタビュー第22弾

ケア業界のパイオニアに道を訊くインタビュー企画、第22弾です。

今回は、訪問スケジュール管理ツール「ZEST」シリーズを展開する、株式会社ゼスト 代表取締役の一色さんにお話を伺いました。

この記事の要点

  • 訪問事業所の特殊なスケジュールに着目した株式会社ゼスト
  • ボタンひとつで簡単に訪問スケジュールを作成でき、ミスや抜け漏れまで減らせる
  • 多職種連携やダッシュボード機能により訪問事業者の経営が上向きに

株式会社ゼスト 代表取締役 一色 淳之介 氏のプロフィール

株式会社ゼスト 代表 一色氏の写真

一色 淳之介(いっしき じゅんのすけ)氏

株式会社ゼスト 代表取締役社長 CEO
新卒でP&Gジャパンのマーケティング部門に所属し、日本及びシンガポールでヘアケアブランドのマーケティングに従事。2013年に創業期の株式会社ヤマトキャピタルパートナーズ(現・株式会社YCP Solidiance)に参画。パートナーとして、様々な企業に対するマーケティング、経営戦略、さらには新規事業立案等のコンサルティング支援を行う。2022年9月に株式会社ゼスト 代表取締役社長に就任。

インタビュー(以下、敬称略)

株式会社ゼストの概要

——まずは、株式会社ゼストさんについてご紹介ください。

一色:弊社は株式会社ゼストと申します。在宅医療、介護事業者向けのスケジュールの自動作成およびスケジュールの最適化ツール「ZEST」などを提供しております。

——医療と介護の両方を対象にしていらっしゃるんですね。

一色:訪問看護や訪問介護、訪問診療など、利用者さん・患者さんのところへ訪問される事業者さんが対象です。

——昨年(2022年)に会社規模を拡大されたとか。

一色:昨年までの社員数は数名の小規模経営だったのですが、昨年の8月にミダスキャピタルというプライベートエクイティファンドから大きな増資を受けまして、社員数を一気に30名ぐらいまで増やしたところです。

——現在急成長の会社ということですね。どういった事業をされているのでしょうか?

一色:スケジュールデータを基盤に在宅医療の業務改革/DXを実現する複数のクラウドサービスを提供し、他システムとも連携を実現するプラットフォームを構築しています。

具体的なプロダクトとしては、

在宅医療・介護の訪問スケジュールを自動作成するクラウドサービス『ZEST』
ZEST

空き枠を簡単に共有でき営業効率を改善する『ZEST MEET』
ZEST MEET

スケジュールから得た情報をダッシュボード化し経営指標を見える化する『ZEST BOARD』
ZEST BOARD

この3つを展開しています。

——「ZEST BOARD」は2023年6月にリリースされたばかりのフレッシュなサービスですね。それぞれのツールについては後ほど詳しくお聞きしたいと思います。

訪問スケジュール管理から2025年問題にアプローチ

一色:現在、いわゆる「2025年問題」が大変な社会問題になっていますよね。

介護難民が出てしまう、介護の人手が全然足りなくなってしまうという問題があります。

一色:弊社はその課題に会社としてどうアプローチをしていくかを考えたときに、介護の人材不足は単純なヘッドカウントだけでは解決できないと思ったんです。

もちろん人数の不足は大きな課題ではありつつも、それを超えた稼働時間の不足というのが一番の問題なんです。

例えば訪問看護の場合、1人の看護師さんが働く時間は1日8時間ですよね。プラスちょっと残業も発生します。

しかし、患者さんの自宅に行って、ベッドサイドでケアをしている時間はそれの半分にも満たない場合が非常に多いんです。実際には3時間程度でしょうか。

——ケアを提供している3時間以外の、残り5時間は何をしているんでしょうか。

一色:移動時間だったり、レセプト処理やカンファレンスなど、さまざまなことをやっています。

正直、残りの5時間は事業所としても収益にならない時間なんです。

働いてるスタッフとしても自分たちはケアをするために働いているので、移動や事務作業ばかりをしたいわけではない。

一色:そこで弊社は訪問事業につきまとう「移動」を効率化して、いま3時間のベッドサイドケアの時間をもっと伸ばしていくことによって、単純なヘッドカウントではなく1人1人の効率を上げていくことから現在の課題に立ち向かっていきたいと考えました。

スタッフのゆとり作りが株式会社ゼストのミッション

——御社が掲げるミッションは『護りたい。その想いを護る。』だそうですね。そのミッションについて詳しくお聞かせください。

一色:この業界の方々、介護の現場で働いている方は、毎日非常に大変な思いをしていますよね。

特に訪問看護・介護をしている方は、寒い日も暑い日も雨の日も雪の日も、特に都内や住宅密集地では自転車で利用者さんや患者さんのところに行かなくてはいけません。

さらに、訪問看護師は病院や施設の看護師に比べて、離職率も高いというデータが出ています。

訪問看護や訪問介護の方たちは、在宅でより身近な看護を通じて高齢者を守りたいという崇高な思いを持って働いてくれているのに、さまざまな理由で仕事を離れていってしまう。

弊社がテクノロジーの力を使って訪問事業に従事する方たちの負荷を減らし、時間のゆとりや心のゆとりを生み出して、そういう方たちが現場を離れていかない世界を作りたいという思いから「護りたい。その想いを護る。」のミッションを掲げております。

臼井 貴紀
● 監修者情報
臼井 貴紀 Usui Kiki
Hubbit株式会社 代表取締役社長。藤田医科大学客員教員。早稲田大学卒業後、ヤフー株式会社に新卒入社。営業、マーケティング、開発ディレクション、新規事業開発など幅広く担当。その後、ベンチャー企業に転職しAIを活用したMAツールの立ち上げを行った後、Hubbit株式会社を設立。高齢者施設に3ヶ月住み込んで開発したCarebee(ケアビー)は、日本経済新聞、NHKおはよう日本、ABEMA PRIME等に出演。
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