飲食店向け配膳ロボットを介護施設にも
——「みまもり~ふ」以外にも自社ブランドにはよくファミレスで見かけるネコちゃんロボットもありますね。
高杉:実はすかいらーくグループで使われている非接触時代のネコ型サービス配膳ロボット「BellaBot」も、弊社が取り扱っている製品なんです。

高杉:もともとは飲食店向け配膳用ロボットとして販売させていただいているんですが、これを介護施設でも利用していただこうと。
介護施設では皆さん食堂に集まって食事されますが、中には食事に介助が必要な方もいらっしゃいますよね。
そのような方たちに介護士さんが付きっきりになる中で、配膳や食器の片付けをロボットが代わりにやってくれます。
また「BellaBot」が運べるモノは、食器だけではありません。例えばオムツやシーツなど、平坦な同フロア内であればどこでも運ぶことができます。
——配膳以外にもさまざまな活用が可能なのですね。
高杉:要介護者のオムツ交換の際、新しいオムツが手元になくてもインカムで置き場近くにいる方に頼めば在庫を運んでもらえます。
「BellaBot」にモノを乗せるのは誰かにお願いする必要がありますが、介護士さんがあっちに行ったりこっちに行ったりという必要はありません。
——新しいオムツが欲しくても、誰もその場を離れられないというシーンは結構ありますからね。
高杉:移動を減らすことによって、介護士さんが要介護者さんに寄り添って活動が続けられますし、介護士さんの負担が軽減できます。
——介護人材が不足しているところをロボットで補う形ですね。
高杉:介護分野は常に人手不足ですし、負担の大きさから離職率も高くなっています。介護施設によってはパートタイマーのアシスタントを雇用しているところもあるようですが、 昼間しか対応してもらえないところがネックになります。
そのような部分を弊社のロボティクス技術で補い、介護の人材不足解決に貢献したいですね。
コンパクトなスマートデザインが柔軟な移乗・移動を可能にする
——移乗用ロボットについてもご紹介いただけますでしょうか。
高杉:弊社の移乗・移動ロボット「Keipu-Sb」は、介護職員の負担軽減を目的に開発された ロボットです。
「介護する人、される人に笑顔を」というところで開発しました。こちらも「みまもり~ふ」と同様、介護保険適用用具の認定を受けています。

——具体的には他の電動車椅子とどこが違うのでしょうか。
高杉:1番の違いはデザインです。⼈間⼯学から考慮されたデザインで、ご利⽤者がベッドから⾜を下ろし、そのままスライドしてKeipu-Sbに乗り込むことが可能になっています。
——車椅子の後ろから乗り込むんですか?
高杉:普通の車椅子だと、ベッドから移動するときには介護士さんが前から抱え上げて、抱き上げて車椅子に乗せますよね。
「Keipu-Sb」はベッドから滑るようにして乗れますので、介護士さんの筋力的な負担が大きく軽減できます。ベッドの高さに合わせた電動上下機構も搭載しています。
——パワーアシストスーツなどがなくても大丈夫ですね。
高杉:普通の車椅子は乗った後にも介護士さんが押して進む必要がありますが、電動で動くので押し歩く作業も必要ありません。
また抱きかかえられるという行為は、介護される方にとっても体力を使うんですね。
ですから「Keipu-Sb」によって介護者と要介護者の双方の体力的な負担が減らせるということです。
——なるほど。それで「介護する人、される人に笑顔を」なのですね。
高杉:「Keipu-Sb」はジョイスティックやスマートフォンで操作できますので、ある程度自分で操作できる方であれば車椅子に乗ったままご自分で操作が可能です。また横についている介護士さんからの操作もできます。
——スマホでも操作できるというのは他にはない利点ですね。
高杉:介護士さんが横に付いている必要はありますが、だいぶ楽になりますよね。
またスマホで操作できることにより、ちょっと離れた場所にある「Keipu-Sb」をラジコンのように動かすこともできます。居室の隅に置いてある「Keipu-Sb」をスマホで近くまで 呼び寄せられますので、手間が大幅に省けますね。
——すごくコンパクトなサイズ感も魅力的ですね。
高杉:コンパクトなだけでなく、 360度回れる点も魅力です。
トイレなどの狭い場所にも入れますし、その場で回ることによって、そのままトイレの便座の乗り降りができます。普通サイズの車椅子では狭いトイレには入れませんし、入れても後ろから降りられないデザインでは結局抱き抱えて移乗させることになります。
——「Keipu-Sb」を使うことで利用者さんがトイレを使いやすくなりますね。
複数分野を横断するテクノホライゾンの強み
——御社が提供する自社ブランド製品全体を通して、どんな点が強みになると考えていますか?
高杉:弊社はもともと医療機器の受託事業をメインにしていた企業です。そのため本格的な医療機器に関するノウハウや知識が豊富なので、医療機器の安全性を担保したものが製造できます。
また、弊社では医療・介護分野だけでなく多岐に渡った事業を展開していますので、もともと違う分野で使われていた技術を医療分野や介護分野に展開できるという点も弊社の強みとなっております。
——先ほどご紹介いただいた配膳ロボットなどが好例ですね。

高杉:逆に、自社ブランド製品を販売することで介護施設や病院など現場の声や要望を吸い取り、それをまた受託事業としての医療機器の開発にも反映できるんです。
——医療ソリューションの受託事業と自社ヘルスケア製品の開発が、互いに良い相互作用をもたらしているんですね。
高杉:現場とメーカーの双方に寄り添い、医療機器全般全般から介護分野まで含めた提案ができるというところが大きな強みだと考えています。
——そして医療ソリューション事業で得られた知見が、また他の分野のソリューションにも反映されていくのですね。
高杉:はい。弊社は上場しているものの、誰もが名前を知っているような大手ではありません。
ですがその分だけ、事業部間の共有がスピーディーに行える利点があります。そういったところがヘルスケアだけでなく弊社全体の強みになります。
テクノホライゾンの問い合わせ先
——御社のヘルスケアブランド製品を実際に利用したい医療機関や介護施設の担当者さんは、どのように御社へご連絡したらよいのでしょうか?
高杉:公式ホームページに医療ソリューション専用窓口の電話番号が掲載されていますので、お気軽にお電話ください。またメールでのご相談も承ります。
——それぞれの製品の価格も、問い合わせをすれば教えてもらえますか?
高杉:ヘルスケア製品は基本的にはすべてオープンプライスです。数量や条件により価格が異なりますので、お問い合わせ後に詳しくお話を伺いさせていただき、その後販売価格をご案内させていただきます。
また日頃お付き合いのある販売店・商社経由での購入も可能ですので、まずはお気軽にご連絡いただければと思います。
最後にメッセージを
——ではインタビューの最後に、御社製品のご利用を検討されている方に一言メッセージをお願いします。
高杉:弊社テクノホライゾンは、あまり一般の方には馴染みがない会社かと思います。
ですがテクノホライゾンという会社名になるずっと以前から、もう40年近く大手医療機器メーカーさんの名前を冠した医療機器の開発をしておりますので、介護製品に関しても医療レベルの製品をご提案できます。

高杉:間違いなく信頼性のある製品を皆様にお届けできる自信がありますので、ぜひご検討いただければと思います。
今回のインタビューを通して
今回はテクノホライゾン株式会社の高杉 宗孝さんにお話を伺いました。
高杉さんのお話にもあったように、テクノホライゾンさんは介護分野以外の製品も多く開発製造販売されているそうです。
会議ツールやセキュリティシステムなど、働く上で必要になる製品やサービスについても一緒に相談できる点も、テクノホライゾンさんの製品を選ぶメリットだと感じました。
高杉さん、貴重なお話をありがとうございました。
AIケアラボでは、これからもより多くのサービスや製品を紹介していきたいと考えています。
「うちのサービスの話も聞いて欲しい!」という企業様・団体様がいらっしゃいましたら、お気軽に以下のアドレスまでご連絡いただければ幸いです!
ai-carelab@tryt-group.co.jp
