テクノホライゾン株式会社 取締役 高杉氏 | インタビュー第29弾

テクノホライゾン株式会社 取締役 高杉氏 | インタビュー第29弾

最終更新日 2023.11.02

医療の安心と安全を支えるテクノホライゾン

——私たちが病院などで見ている医療機器も、実はテクノホライゾンさんが製造された機器かもしれないのでしょうか。

高杉:そうですね。受託開発した製品はテクノホライゾンとしての販売は行っていませんが、意外と身近なところでご覧になっているかもしれません。

受託開発では基本的には4つのコア技術を軸に、大手医療機器メーカーと仕様検討の段階から一緒に開発を行い、量産と販売後の保守対応まで行っています。

——そうなると、自社では常に最新の医療機器開発を提供していかなければなりませんね。

高杉:弊社がメーカーに技術を提供するためには、医療機器の基礎技術の研究は欠かせません。そのため大学や研究機関との共同研究も積極的に進めています。

血管系、 動脈硬化系の検査などについても研究開発しておりますが、それ以外にも医療用カメラの研究開発など、弊社が独自に特許を取得している技術もあります。

受託事業のノウハウを元に自社ブランドを立ち上げ

——「ヘルスケア」という、自社ブランドの介護機器についてもご説明いただけますでしょうか。

高杉:「ヘルスケア」は「スマイル、ステップ、サポート。3つの“S”で希望に満ちた未来へ。」をモットーに、介護をする方も介護される方も笑顔にしていこうという商品を作っています。

現在の主力製品は睡眠を見守る見守りシステムの「みまもり~ふ」ですが、それ以外にも配膳ロボットや移乗・移動ロボットなどがあります。

「ヘルスケア」ブランドの製品の中には、介護系ベンチャー企業が制作した介護機器を弊社が協力して販売させていただいているものもあります。

また介護施設内の環境整備ということで、人工太陽光照明システムも取り扱っています。

——人工太陽光照明システムとは何ですか?

高杉:太陽光を忠実に再現し、紫外線などの有害な光をカットした光を発光するLED照明システムです。太陽光には、サーガディアンリズムを整え、睡眠や覚醒のリズム、血圧、体温、精神面などに良い影響をもたらすと言われています。

——要介護度の高い方はなかなか外出も難しいですからね。施設内で太陽光が浴びられる人工太陽光照明システムがあれば、疑似的な日光浴が可能になりますね。

高杉:基本的にはこれらの介護製品で、介護現場のニーズを満たすソリューションをこれからどんどん提案しようと思っています。

「みまもり~ふ」で介護のICT化を支援

——主力商品の「みまもり~ふ」について詳しく教えていただけますでしょうか?

高杉:「みまもり~ふ」は要介護者の睡眠を見守るところから、新しい介護を実現しようとしている介護製品です。

高杉:マットレスの下に敷くセンサーマットで、要介護者の睡眠状態をリアルタイムで確認できます。

——離床を見守ることでベッドからの転落事故防止に役立ちますね。認知症の方の徘徊監視にもなりますか?

高杉:そうですね。他社の見守り機器と同様、徘徊監視機器としての役割や、夜間の訪室業務の効率化が行える製品です。また夜中の離床が多発している方は昼間のイベントを増やすなど、ケアプランの改善にも役立ちます。

「みまもり~ふ」はそれだけでなく、睡眠クオリティの把握による健康管理にも役立ちます。

——具体的にはどのような健康状態が分かるのでしょうか?

高杉:心拍や呼吸、心拍動「ゆらぎ」の解析も可能です。「ゆらぎ」が異変リスクを察知することで、睡眠時の異常にも直ちに対応が可能となります。

「みまもり~ふ」はナースコールシステムなど各社のシステムとも連携していますので、医療・介護のICT化にも貢献できていると思っています。

——「みまもり~ふ」は福祉用具の認定を受けていますか?

高杉:はい。介護施設向けの認定福祉器具の認定を受けています。

臼井 貴紀
● 監修者情報
臼井 貴紀 Usui Kiki
Hubbit株式会社 代表取締役社長。藤田医科大学客員教員。早稲田大学卒業後、ヤフー株式会社に新卒入社。営業、マーケティング、開発ディレクション、新規事業開発など幅広く担当。その後、ベンチャー企業に転職しAIを活用したMAツールの立ち上げを行った後、Hubbit株式会社を設立。高齢者施設に3ヶ月住み込んで開発したCarebee(ケアビー)は、日本経済新聞、NHKおはよう日本、ABEMA PRIME等に出演。
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