株式会社RingsCare 代表取締役 大平氏 | インタビュー第33弾

株式会社RingsCare 代表取締役 大平氏 | インタビュー第33弾

ケア業界のパイオニアに道を訊くインタビュー企画、第33弾です。

今回は医療・介護資格を有するリングスケア®︎セラピストによる、完全パーソナル美整容ケアサービス「Rings Care®︎(リングスケア)」を展開する、株式会社RingsCare 代表の大平さんにお話を伺いました。

この記事の要点

  • 看護の概念「ケアリング」からリングスケア®︎が生まれた
  • リングスケア®︎の4つのステップで高齢者の生きる力を引き出す
  • 要介護者とセラピスト、家族と施設スタッフがワンチームとなりリングが広がる

株式会社RingsCare 代表取締役 大平氏のプロフィール 

大平 智祉緒(おおひら ちしお)氏

順天堂江東高齢者医療センター・なごみ訪問看護ステーションにて高齢者看護に従事。高齢者医療・在宅医療現場での課題意識から患者の外見ケア・エンドオブライフケアの探求を始め、2016年 NOTICE(メイクセラピー) 開業。2023年株式会社RingsCareを設立し、Rings Careを社会全体のインフラとして広げていくことを目指している。

インタビュー(以下、敬称略)

株式会社RingsCareの概要

——まずは株式会社RingsCareの自己紹介をお願いします。

大平:株式会社RingsCareは今年2023年6月に法人化したばかりの、私を中心とした看護師・介護福祉士・精神保健福祉士の6人のメンバーで事業を展開している会社です。

企業理念(Purpose)は「病気や障害があっても、一人ひとりのいのちの輝きを支え続ける」としています。

株式会社RingsCare | トップ

主な事業としては2つあります。1つ目は首都圏を中心に東京・千葉・埼玉の個人宅や老人ホームへ訪問する介護保険外の美整容ケアサービス「Rings Care®︎(リングスケア)」です。

2つ目は、医療・介護現場に外見ケアの重要性を伝えるための教育、研究、啓発事業です。

また、看護師を中心として根拠に基づいた外見ケアを考える「外見ケア研究会」を発足し、エビデンスの構築にも努めています。

——今回は「リングスケア®︎」について詳しくお話を伺わせていただければと思います。

メイクセラピーから発展した「リングスケア®︎

——法人化は今年2023年ですが、大平さんはもっと以前から美整容ケアを行っていたんですよね。

大平:はい。2016年からメイクセラピストとして個人事業で活動していました。

ただメイクセラピーというと、どうしても女性だけを対象としたケアに捉えられがちなんですね。化粧して綺麗になって、それで元気になるというイメージが強いんです。

ですが私がやりたかったのは「美容」というより「整容」に近い部分で、顔を中心とした外見を整えることでその方の自尊心を保ち、活気を上げるようなケアなので、男性にも受けて欲しいと思っていました。

約2年前に特許庁のプロジェクトに参加させていただいたときに、知財や経営の専門家の皆様からアドバイスをいただいたこともあり、自身の看護観などを盛り込み「リングスケア®︎」の名称が誕生しました。

リングスケア®︎は看護の概念「ケアリング」から生まれた言葉

大平:看護には「ケアリング」という概念があります。

ケアの対象との関係性をより意識した概念で、ケアは決して一方通行のものではなく、「ケアする側とされる側が共に癒され、共に成長して行く」という看護の本質を表す大切な考え方です。

ケアする方もケアされる方からたくさんのものを受け取りながら、リングができるような関係性を最も大切にしたいと考え、ケアリングから語源を取って『リングスケア』という名称を作りました。

——リングではなくて複数形のリングスにしたのはどうしてでしょうか?

大平:リングスケア®︎を通じて外見が変わると、ケアを受けた本人だけでなく周りの方にも良い影響が生じます。

ご本人の笑顔で周りも笑顔になったり、ご家族が喜んだり施設全体での空気も明るくなるんですね。

身なりが整うということは、周囲との交流が促進され大切な人とのリング(輪)が増えてつながっていきます。リングがどんどん広がっていくケアなのでリングを複数形にしています。また対話の『話』や、和を奏でる意味である『和』も連想できるようにしました。

 リングスケア®︎(施設向け)のサービス紹介

——それでは具体的に、サービスについてご紹介をお願いします。

大平:今回は施設向けサービスをご紹介させていただきます。個人向けサービスについては公式サイトでご確認いただければと思います。

リングスケア | 医療・介護職が届ける“心”と“外見”のケアサービス

大平:リングスケア®︎の施設向けサービスでは、医療・介護資格をもつリングスケア®︎セラピストが個人のお部屋に直接お伺いして、利用者様に対してマンツーマンでの美整容ケアを行うというものです。お一人おひとりに計画書を作成し、アセスメントして評価し、ケアプランにも導入していただいています。

——施設に入っている方の介護度はさまざまだと思いますが、どういった介護度の方が対象になるのでしょうか。

大平:ご要望があればお元気な方にもリングスケア®︎を施しますが、実際は病気や加齢などによってご自分で身だしなみを整えることが困難な方、どちらかと言うと介護度の高い方が多いですね。

——例えば認知症が進んだ方などでしょうか?

大平:そうですね、認知症の方は多いです。また、認知症だけでなく脳血管障害の後遺症・高次機能障害といった障害をお持ちの方や、精神的な落ち込みが大きい方、ターミナル期の方々がいらっしゃいます。

一般的な美容サービスは「綺麗になりたい方」が対象のサービスですが、リングスケア®︎ではADLが低下した方や精神面・身体面・社会面の機能低下が見られる方に向けて、“ケア”の一つとして受けていただけるサービスです。

※ADLとは、Activities of Daily Livingの略で、最低限必要な日常生活動作のこと

——実際にはリングスケア®︎ではどのような施術を施すのですか?

大平:リングスケア®︎は4つのステップで、心と外見にフォーカスしながら実施し、その様子を現場やご家族につなぎます。

まずは①対話。隣に座って目線を合わせてお話をするところから始め、施術中もじっくりと利用者様とお話させていただきます。

次に②触れる。リングスケア®︎では触れるという行為をすごく大切にしています。

いきなり化粧や整容を行うのではなく、手や顔にゆっくりと触れながら、温かさや心地よさにより、まずは快の刺激を与え、心と体の緊張をほぐしていきます。

その後に③整える。つまり美整容ですね。顔や手を清潔にして保湿をしたり、食べこぼしがある服の着替えをしたり『その方らしく美しく容姿を整える』を意味します。

最後に④で彩る。ご要望や状態に応じてメイクアップやネイルを行います。またポジティブな言葉かけやユーモアなども『彩る』の一つと捉えています。リングスケアでは常に①から③あるいは④の循環を回しています。

臼井 貴紀
● 監修者情報
臼井 貴紀 Usui Kiki
Hubbit株式会社 代表取締役社長。藤田医科大学客員教員。早稲田大学卒業後、ヤフー株式会社に新卒入社。営業、マーケティング、開発ディレクション、新規事業開発など幅広く担当。その後、ベンチャー企業に転職しAIを活用したMAツールの立ち上げを行った後、Hubbit株式会社を設立。高齢者施設に3ヶ月住み込んで開発したCarebee(ケアビー)は、日本経済新聞、NHKおはよう日本、ABEMA PRIME等に出演。
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