【ペースノート】株式会社ペースノート 代表取締役 由井氏|インタビュー第16弾

【ペースノート】株式会社ペースノート 代表取締役 由井氏|インタビュー第16弾

ケア業界のパイオニアに道を訊くインタビュー企画、第16弾です。

今回は、ショートステイ・老健の稼働率アップを支援するクラウド型予約管理システムの「ペースノート」を運営する、株式会社ペースノート代表取締役の由井聖太(ゆいせいた)さんにお話を伺いました。

この記事の要点

  • 予約管理表を完全デジタル化・クラウド化することで、稼働状況や入退所情報・営業情報などのデータを可視化している。
  • 現場相談員・施設管理者からの高い満足度により、サービス継続率は100%を維持している。
  • ニーズの大きい介護老人保健施設に特化した入退所・予約管理システムを2023年6月にリリース予定。

株式会社ペースノート 代表取締役 由井氏のプロフィール

由井 聖太(ゆい せいた)氏

1984年東大阪生まれの39歳。
経済産業省およびマッキンゼー日本支社を経て、2019年より家業である高齢者福祉事業に従事。高齢者福祉のポテンシャルを開放し、介護を受ける側にも介護を行う側にもより良い環境を実現するため、2020年に株式会社ペースノートを創設。現在はショートステイ向けに予約管理クラウドを提供中。

会社概要

・会社名:株式会社ペースノート / pacenote,inc
・設立:2020年6月
・事業内容: 介護サービス向けクラウドシステムの開発、介護サービス向けコンサルティング業務

インタビュー

希望するときにいつでも介護サービスを受けられるようにしたい

——コンサルティング会社で活躍されていた由井さんは、なぜ介護分野での起業をされたのでしょうか。

起業した背景としては、2つあります。

1つ目は、介護業界におけるデジタル化の遅れを感じたためです。

私の母が、特別養護老人ホームや介護老人保健施設など計5施設を社会福祉法人として運営しているのですが、2018年に介護報酬の改正があり経営状況が厳しくなったことがありました。
その手助けをするために理事として携わっていく中で、介護業界はいまだに紙を使った業務が根強く、デジタル化が進んでいない業界だと感じるようになりました。

2つ目は、介護サービスを利用したい人、利用してもらいたい人双方に、必要な情報が適切に届いていない、と感じたためです。

いざ現場に入ってみると、ベッドの予約管理を紙に手書きで行うことが常態化しており、管理が効率的に行われていませんでした。

この状況では、介護施設側はベッドの稼働率が低くなり売上が減ってしまいます。また、ご利用者様とそのご家族は、実はベッドが空いているのに入所ができず、ご家族のどなたかが家で介護しなければならなくなってしまう、といったケースが発生します。

同じ悩みを抱える介護事業者を支援することで、「希望するときにいつでも介護サービスを受けられる社会」を後押ししたい、という思いから、2020年6月にペースノートを創業しました。

——「ペースノート」についてご紹介いただけますか。

ペースノートは、ショートステイの稼働率アップを支援するクラウド型の予約管理システムです。

弊社システムは、ベッドの予約管理や空床状況の共有がクラウド上でいつでもどこでも確認できるため、ベッドの稼働率を高水準で保つことや、施設周辺のケアマネジャーに空床状況を伝え、営業する生活相談員の方の業務量を削減することができます。

現在のご利用施設のなかには、ベッドの稼働率が40%から90%まで上がり、事業所全体の売上が月間で数百万円、年間だと数千万円レベルで上がる事例もあり、非常に大きな効果を実感いただいています。

——競合製品との違いなど「ペースノート」の特徴を教えていただけますか。

大きな特徴としては2つあります。

1つ目は、介護施設の営業支援に特化していることです。

ケア記録や介護保険請求については既に市場に多くのシステムがありますが、弊社は集客や稼働改善など、相談員の営業活動の支援が目的です。そのため、営業をする相談員の方はもちろんのこと、普段からご利用者様やそのご家族の方と直接やりとりをしていない職員であっても、弊社システムで空床状況を確認して、宿泊の可否や利用可能な時間帯を案内することができます。

また、そのご利用者様が継続してご利用いただいているかをデータで見られるようになっています。

そうすることで、一度利用していただいた後も継続的に利用していただけているかを確認でき、継続利用していただけていない場合はフォローアップすることができます。

2つ目は、予約管理に付随する業務を削減できるため、業務効率化につながることです。

弊社システムでは紙形式の使い勝手を維持しつつ、データを活用することができます。そのため、稼働率や空床数の計算等の事務作業や、電話・FAXによる二重確認などを月間で約30時間以上削減できます。

臼井 貴紀
● 監修者情報
臼井 貴紀 Usui Kiki
Hubbit株式会社 代表取締役社長。藤田医科大学客員教員。早稲田大学卒業後、ヤフー株式会社に新卒入社。営業、マーケティング、開発ディレクション、新規事業開発など幅広く担当。その後、ベンチャー企業に転職しAIを活用したMAツールの立ち上げを行った後、Hubbit株式会社を設立。高齢者施設に3ヶ月住み込んで開発したCarebee(ケアビー)は、日本経済新聞、NHKおはよう日本、ABEMA PRIME等に出演。
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