【Hug(ハグ)】株式会社FUJI  技術開発部 中根氏 | インタビュー第17弾

【Hug(ハグ)】株式会社FUJI 技術開発部 中根氏 | インタビュー第17弾

ケア業界のパイオニアに道を訊くインタビュー企画、第17弾です。

今回は、自分で立つことが難しくなってきた高齢者の移動、立位保持を補助する機器「Hug(ハグ)」を運営する、株式会社FUJI 技術開発部の中根さんにお話を伺いました。

この記事の要点

  • 「移乗サポートロボットHug(ハグ)」は、自分で立つことが難しくなってきた高齢者の移動、立位保持を補助する機器
  • コンパクトかつ操作が簡単なので、誰でも簡単に利用できる介護者の救世主
  • Hug(ハグ)を使うことで自力で立って移動する時と似た動きができるため、人に持ち上げられて移乗するときよりも利用者のモチベーションにつながる

株式会社FUJI 技術開発部 中根氏のプロフィール

株式会社FUJI 中根氏の画像

プロフィール

中根 伸幸(なかね のぶゆき)氏

株式会社FUJI 技術開発部
2000年に株式会社FUJI入社。電子部品実装機NXTのユニット開発、プラズマ洗浄装置の開発などに従事。2013年より移乗サポートロボットHug(ハグ)の開発を担当。

中根さんへのインタビュー

誰でも簡単に利用できる介護者の救世主

——早速ですが、「株式会社FUJI」についてご紹介していただけますか。

株式会社FUJIは愛知県知立市に本社を置く産業機器メーカーです。日本だけではなく世界を舞台に活躍するロボットメーカーですが、中でも主力製品の「電子部品実装ロボット(実装機)」は、電気で走るクルマやスマートフォン、家電などの電気製品を動かすための電子基板を作るために使われており、世界トップクラスのシェアを誇っています。

弊社を簡単に紹介すると、「ロボットを動かす技術や工場を自動化する技術に強みを持つ、ものづくりが得意な会社」です。また、近年では 「人々の 心豊かな 暮らしのために」 をパーパスに掲げ、新しい事業や製品の開発に積極的に取り組んでいるので、その一部をご紹介します。

生産工場で使用する製品としては、「小型多関節ロボット」や「大気圧プラズマユニット」。電子部品の実装、樹脂と電気配線の3Dプリントをまとめてできる装置の「エレクトロニクス3Dプリンター」があります。
人が介在する分野では、介護を補助する「移乗サポートロボットHug(ハグ)」、非対面で受け取りできるロッカーの「Quist(クイスト)」。
また、地域貢献事業として、子供達に科学をはじめとした様々なカリキュラムを通して英語を教える「teracoya THANK」、そして併設する「thirty nine cafe(サーティナインカフェ)」の運営も行っています。

他にも、カテーテル手術を支援するロボットや、建設のがれきを分別するロボットの製品化など、多岐に渡り様々な事業・製品開発に取り組んでおります。

その中で、私が担当しているのは「移乗サポートロボットHug(ハグ)」です。

——中根さんが担当している「移乗サポートロボットHug(ハグ)」について教えていただけますか。

移乗サポートロボットHug(ハグ)は「介護のある暮らしに寄り添うロボット」です。具体的には、高齢者の立ち座りと立位の維持を支援する機器です。

Hug(ハグ)は、上の写真のとおり現在2機種販売中です。介護施設向けの「Hug T1-02」とご自宅向けの「Hug L1」で、シリーズ累計では約3,000台の出荷実績があります。利用者全体の5〜6割がご自宅向けの福祉用具貸与での導入になります。
「Hug(ハグ)について」:https://www.fuji.co.jp/about/hug/

また、第9回ロボット大賞では厚生労働大臣賞を受賞することができました。ご利用者様はもとより、開発・販売に関わっていただいた方々に感謝しております。

——Hug(ハグ)について、具体的な利用場面などを詳しく教えていただけますか。

主な利用場面として、トイレ介助があります。上のイラストのように立位が不安定になってくると、介護者が支えてトイレ介助する必要があります。しかし、この姿勢のまま介護者が1人でオムツを当てたり、ズボンを着脱をするのは困難で、安全にトイレ介助するのはとても難しいです。

しかし、Hug(ハグ)を使用することで、上の写真のようにHug(ハグ)が抱えあげている間に、介護者が利用者のおむつやズボンの着脱ができます。

また、Hug(ハグ)は利用者を前から支えることができるため、お尻側にトイレ介助の邪魔になる安全ベルトがなく、おむつやズボンの着脱が楽にできることも利点です。

また、他の利用場面としては、上のイラストのように介護者が利用者をベッドから移動させたいとき、利用者が向きを変えて座りたいときや立った姿勢を維持したいときなど、様々な場面で活用していただけます。

このように、介護者が1人であっても利用者の生活に必要な補助ができるため、「介護者の負担軽減」と「利用者の自立支援」に役立ちます。

臼井 貴紀
● 監修者情報
臼井 貴紀 Usui Kiki
Hubbit株式会社 代表取締役社長。藤田医科大学客員教員。早稲田大学卒業後、ヤフー株式会社に新卒入社。営業、マーケティング、開発ディレクション、新規事業開発など幅広く担当。その後、ベンチャー企業に転職しAIを活用したMAツールの立ち上げを行った後、Hubbit株式会社を設立。高齢者施設に3ヶ月住み込んで開発したCarebee(ケアビー)は、日本経済新聞、NHKおはよう日本、ABEMA PRIME等に出演。
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