【サイバーダイン】介護アシストスーツHAL企業インタビュー(前編)~現場と共にソリューションを作る~

【サイバーダイン】介護アシストスーツHAL企業インタビュー(前編)~現場と共にソリューションを作る~

最終更新日 2022.11.18

安全な職場づくりに繋げる

軽量化・コンパクト化、使い勝手の向上を目指す

ーーこれまでのHALの特徴的な進化や、今後のプロダクトやサービスにおける進化のイメージがあれば教えていただけますか。

小笹:進化は常にしていますね。腰タイプも、お客様の要望によってなどで最初出たプロダクトからどんどん変わってきています。例えば最初は防水機能が無かったのですが、「お風呂場で使用したい」というニーズがあったので防水機能をつけたりしています。
また、生体電位信号というものに基づいて制御するモードですと従来はシールを貼ったりケーブルをつけたりなどの一手間が加わっていましたが、使い勝手を良くするためにその一手間を無くしました。

小笹さん

プロダクトの進化については、今まさに軽量化やコンパクト化に取り組んでいます。HAL腰タイプの機体重量は3.1キロなんですが、ずっと腰につけていると負担になる方もいらっしゃいます。また腰の後ろ側につけるので背中が出っ張ります。狭い環境では大変な場合もあります。そのため更に軽量化・コンパクト化することは今後、大事なポイントの一つです。

サービスに関してはコンサルティングに近い部分の強化ですね。介護業務・看護業務では様々なタスクがあり、それに伴った動作がありますが、その全ての業務に今弊社の機体が効果を発揮するかというとそうではありません。得意不得意を見極めながら業務の負担を減らしていく必要があります。なので「物だけ入れればいい」という考え方ではなく、業務改革のような形でトータル的に変えていく取り組みも今の時点では必要だと感じています。

生体信号を可視化して介護現場の労働環境を改善する

片見:弊社の製品の特徴として、実は体から出る色々な情報(※)を見れるようになっております。これは自立支援という形で今は高齢者のトレーニングのために使っております。モニターに情報を映し出してトレーナーさんと共有するイメージですね。その取り組みを、今後は介護する方にもやっていこうと思っています。安全な職場づくりのための労働環境整備に役立つように、例えば「どれくらいの疲れているか」や「どこにいて、どんな作業をやってるか」を可視化することを考えています。

※例えばHAL®医療用下肢タイプにおいては、皮膚表面に貼り付けられた電極を通して生体電位信号の情報が得られる。装着者が筋肉を動かそうとした時、脳から脊髄〜運動ニューロンを介して筋肉に神経信号が伝わり、筋骨格系が動作する。このとき微弱なBES(生体電位信号)が皮膚表面に現れるため、その信号をキャッチする。

電極貼り付け部位例

高齢者のリハビリにも活用していく

ーー高齢者の方が機体を装着するのは今の時点だと事例が少ないイメージがありますが、今後は高齢者の方がHALを着用してリハビリを行うことを推進していく動きがあるのでしょうか?

小笹:もちろんそこは進めています。やはり生産年齢層の人口が減っていくので、省力化や人材獲得も大事ですが、人の健康寿命を伸ばすことも重要です。ある程度のADL(日常生活動作)は人の手を借りずにできる体であるのは、すごく大事なポイントです。腰タイプのHAL・単関節タイプのHALなどの製品シリーズを使って、機能維持や機能改善を行う取り組みを進めています。

※「高齢者のリハビリにアシストスーツを活用する」というテーマについては研究事例をまとめた記事もありますので、もし良かったらチェックしてみてください。
参考▶アシストスーツは高齢者のADL低下予防にも役に立つ

前編分はここまでです!

CYBERDYNEは上場も行っている成功企業ですが、ひたすら現場を思い製品やサービスの改良を続けている姿はかなり印象的だったのではないでしょうか。

次回は、ベンチャーで働く人としての感じ方や使命感についても迫ります。お楽しみに!

臼井 貴紀
● 監修者情報
臼井 貴紀 Usui Kiki
Hubbit株式会社 代表取締役社長。藤田医科大学客員教員。早稲田大学卒業後、ヤフー株式会社に新卒入社。営業、マーケティング、開発ディレクション、新規事業開発など幅広く担当。その後、ベンチャー企業に転職しAIを活用したMAツールの立ち上げを行った後、Hubbit株式会社を設立。高齢者施設に3ヶ月住み込んで開発したCarebee(ケアビー)は、日本経済新聞、NHKおはよう日本、ABEMA PRIME等に出演。
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