【宇井吉美】排泄センサーHelppadの株式会社aba代表インタビュー(前編)たゆまぬ研究開発、現場との約束。

【宇井吉美】排泄センサーHelppadの株式会社aba代表インタビュー(前編)たゆまぬ研究開発、現場との約束。

ロボットを作って売る

「ロボット」ってそもそも何?

ーー会社の事業を一言で言うと、どんなことをしていらっしゃいますか。

「介護業界向けの介護ロボットを作って売っています」が、一番シンプルで分かりやすい説明かなと思います。

ーーロボットという概念は人によってイメージするところは色々かと思いますが、宇井さんの中では Helppadもロボットの一種なのでしょうか。

そうですね。ロボットは「感じる」「考える」「動く」の3つから成り立っている、とよく言われています。厚労省の介護ロボットの定義でも、「感じる」「考える」「動く」どれか一つでもあれば、それはロボット技術を使っている、介護ロボットと言える、と定義されています(参照:厚生労働省「介護ロボットの開発・普及の促進」)。Helppadも「感じて」「考えて」いるので、職員さんに「動いて」もらってはいますが、Helppadもロボットかなと思ってます。
自動ドアも、私にとってはロボットですね。一方で昔の洗濯機やゲーム機などはロボットではないと思います。同じ機器で例えると、ルンバはセンシング機能などが搭載されていますが、いわゆる普通の掃除機などは感じて考えて動いてないので、私はロボットではないと思います。

ーー要素技術的に言うと、センサーがあると「ロボットらしい」という感じなんですかね。

センサーがあって、何かしらの制御システムやAIが載っていて、知能がある状態ですね。さらにアクチュエーター(※)などがあって動くとかであれば、完璧かなとは思います。

※アクチュエーター・・・機械が動くために伸縮する駆動部分。人体で例えると筋肉にあたる。

Helppadは特異

ーーHelppad(※)と、他社のオムツセンサー使い捨てのオムツ型デバイスとの違いはいかがですか。

※Helppad・・・株式会社abaが開発した、ベットに敷くだけの排泄センサー。ベッド上で被介護者が排泄を行うとセンサーが検知して介護者に通知する。また、記録された排泄のタイミングを分析することで排泄パターンを導き出すことができる。(以前の記事で、Helppadや他の製品を並べて紹介した。)

Helppadイメージ
Helppadイメージ

私達の製品のコンセプトは一貫していて、「生活支援の場を乱さない」。
事業を始める前に介護職の方に「ぜひ守ってほしい」と言われたのは、「介護は医療や看護とは違って生活支援の場だから、ご本人の生活を乱さないでほしい」ということでした。
それで、Helppadはシート型の形をしてるんですね。他社製品との違いは、侵襲性だと思っています。オムツに何かつけるものは、人の生活に侵襲しているところがあると思うので。
一方で、私達もオムツや布パンツに内蔵するセンサーを研究はしています。常に挑戦はしてるんですね。ただ現代技術では、サイズや使い勝手が上手くいかなくて、生活を乱してしまう物になってしまうんです。なので実験機は山ほどありますが、製品化はしていません。

ーー(埋め込み型に関する)研究開発はしているけれど、世の中には出してないということですね。

もしabaが埋め込み型をやるとしたら、全部そのまま埋め込んだ状態で洗える、職員さんが使いやすいものにしたいです。使い捨ての場合は環境面含めて考慮しなければいけません。
通信モジュールやバッテリーなどの進化がもうちょっと必要かなとは思ってますね。

ーー「現時点でどこまで技術的に実現可能か」の検証をされていらっしゃるのですね。

そうですね、ロボット技術って「応用技術」なので。新しいセンサーや小型のバッテリーや小型の通信モジュールが出れば、毎回それらを組み合わせて「今だったら小さくて目立たなくてご本人に負担なく使えるものができるかな」というのは常に形状や検出方法を含めて模索し続けていますね。

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