介護用アシストトスーツのメリット・デメリット・選び方 おすすめアシストスーツ6選

介護用アシストトスーツのメリット・デメリット・選び方 おすすめアシストスーツ6選

最終更新日 2022.02.03

この記事の要点

  1. 介護用アシストスーツとはパッシブ(ゴムなどの作用を利用するもの)とアクティブ(ロボットなどモーター駆動のもの)のタイプに大きく分けられる介助支援製品
  2. 介護用アシストスーツのメリットは腰痛防止など 
  3. アクティブタイプの介護用アシストスーツのデメリットはコスト面など、パッシブタイプの介護用アシストスーツには比較的安価なものもある  

高齢者の移乗介助や入浴支援の際には、介護者に大きな肉体的な負担がかかります。 

その負担を軽減してくれる存在が介護用アシストスーツです。 

介護用アシストスーツとは、背広のようにロボットを着用する製品なのでしょうか。またロボットがどのようにして介護者の肉体的負担を軽減してくれるのでしょうか。 

今回はロボットスーツを含む介護用アシストスーツについて説明しながら、おすすめ介護用アシストスーツ6製品を紹介します。 

介護用アシストスーツとは

介護用アシストスーツとは、介護者が体の一部に装着して移乗介助の際などに介護者の動きをサポートする役目をはたす介助支援製品です。 

介護用アシストスーツとはアクティブタイプというロボットなどモーター駆動のものと、パッシブタイプというゴムなどの作用を利用するものに大きく分けられます。 

アクティブタイプの代表的な製品は、1996年に筑波大学の山海嘉之教授らによって開発された世界初のHALというロボットスーツで、介護だけでなく農業、建設、工業などの幅広い分野で活用されるようになりました。 

参考:筑波大学|「ロボットスーツHAL」とは? 世界最先端の、人を幸せにするテクノロジーです

ロボットを定義する「感知・判断・動作」の3つの機能が含まれないアシスト機器については、パワードスーツもしくはアシストスーツと総称されます。

介護ロボットと呼ばれるロボット機器は、アシストスーツ以外にもいろいろと存在します。詳しくは以下の記事をお読みください。
介護事業所で利用されているAI・ロボット9種 最新の導入割合と活用の方策

アクティブタイプ介護用アシストスーツの使い方

モーター駆動の介護用アシストスーツを実際に見たことがない方は、介護ロボットがどのような形状をしていて、どう装着して使うのかイメージがわかないかもしれません。 

参考までに CYBERDYNE株式会社が開発したロボットスーツの使い方動画をご紹介します。装着方法や使用方法はそれぞれの製品ごとに異なりますので、一例としてご覧ください。 

介護用アシストスーツのメリット

介護用アシストスーツを介護者が装着することにより、以下のようなメリットが生まれると考えられます。 

腰痛が防止できる

腰痛は介護職員の職業病とも呼ばれています。

介護福祉士の腰痛有訴率は70%を超え、これは看護師の有訴率46~65%や事務職の42~49%と比較しても高い割合であり、介護に携わる方にとって身体介護がいかに負担のかかる仕事であるかがよくわかります。

参考:日本福祉大学|介護福祉士の腰痛に関する研究─勤務年数4群からの検討─

腰を痛めやすい介助時に介護用アシストスーツを装着すれば、介護者の腰にかかる負担が軽減し、腰痛が防止できます。 

女性やシニアでも介助作業ができる

介護労働者の性別は、女性が圧倒的に多くなっています。また公益財団法人介護労働安定センターが2021年8月に公表した資料によると、訪問介護を行うホームヘルパーの4人に1人が65歳以上の高齢者でした。

参考:介護労働安定センター|令和2年度「介護労働実態調査」結果の概要について

小柄な女性や体力の衰えたシニアが体格の良い男性の身体を支えたり持ち上げたりするのは非常に困難なため、何らかの器具や機械による助けが必要です。

介護用アシストスーツが介護者の動きをアシストすることで、性別や年齢に関わらず身体介助が楽になります。 

介護用アシストスーツのデメリット

今度は介護用アシストスーツのデメリットを確認してみましょう。

コストがかかる

介護用アシストスーツの導入による一番のデメリットは、コストがかかる点だと言えるでしょう。 

特にアクティブタイプの介護用アシストスーツはロボット技術と言う最先端の技術やモーター駆動が搭載されているため、おのずとかかる費用も高額になります。 

介護ロボットを導入していない介護事業所の多くは、その理由として「導入する予算がない」と回答しています。 

コスト面でのデメリットを解消するためには、国や自治体の補助金を活用するという手段もあります。 補助金については後述します。

着脱が面倒

介護用アシストスーツのデメリットは、もうひとつ「着脱が面倒」という点も挙げられます。 

介助時にいちいち装着しなければいけない、とっさのときに対応できないなど、スムーズな身体介護のためにはまだまだ課題解決が必要です。 

この点についてはつけたままでも負担になりづらいような工夫など各社力を入れて改善しているところです。 

介護用アシストスーツを選ぶ4つのポイント

ポイント

介護用アシストスーツのメリットとデメリットを比較した結果、どのような製品を選べば良いでしょうか。 

介護用アシストスーツを選ぶときには、以下4つのポイントを考慮しながら比較検討してください。 

  1. 介護に適したアシストスーツか
  2. 装着のしやすさ
  3. 介助のしやすさ
  4. トータルコスト

1.介護に適したアシストスーツか

一般的なアシストスーツの中には、人間の身体よりももっと大きな荷物や重量物を持ち上げるためのサポートに適したタイプもあります。 

そのようなタイプのアシストスーツで介助作業を行うと、想定よりも強い力が加わって要介護者・介護者ともに危険が伴います。 

利用シーンとして介護が含まれている介護用アシストスーツを選びましょう。 

2.装着のしやすさ

装着までに長い時間がかかる介護用アシストスーツでは、使いたいと思ったときにすぐ使えず、その内に面倒となり無用の長物となる恐れがあります。

不慣れなうちは装着にも時間がかかると想定されますが、使用に慣れた方の平均的な装着時間を必ず確認しておきましょう。

3.介助のしやすさ

介助を行うときに介護用アシストスーツの金属パーツなどが要介護者にぶつかるとスムーズな介護が行えず、要介護者にも苦痛と不安感を与えてしまいます。

可能であればデモ機などで実際の介助作業を試してみることをおすすめします。

4.トータルコスト

販売価格で比較すると、つい安価な製品を選んでしまいがちになりますが、アクティブタイプの介護用アシストスーツはメンテナンスやメーカーサポートが必至です。 

ランニングコストを含めたトータルコストを入念に比較しましょう。

おすすめ介護用アシストスーツ6選

ここからは、上記4つのポイントを踏まえたおすすめの介護用アシストスーツ(アクティブタイプ、パッシブタイプ)の中から6製品を紹介します。

費用対効果などそれぞれの製品の利点を比較してみましょう。

1.HAL腰タイプ介護・自立支援用

HALは人間が体を動かすときに脳から送られる生体電位信号を読み取り、筋肉の動きを補助する世界初の装着型サイボーグです。

介護用アシストスーツの代表的な存在としてもっとも名前が知られており、導入する介護事業所も増えています。

生体電位信号を読み取り、制御するタイプは世界でも非常に珍しく、装着者の意思に従って、自然なアシストを行える点が特徴です。 

その特性を活かし、治療目的でも使われており、「自立支援用」という名前もついているこのタイプは一台で2通りの使い方ができます。介護施設で、高齢者の方の運動などにも使われています。 

  • タイプ:アクティブ 
  • 公式サイト:https://www.cyberdyne.jp/products/bb0
  • 装着タイプ:腰に装着
  • 動力:専用バッテリー
  • 防水機能:あり
  • 重量:3.1㎏
  • 価格:月額48,000円~(安心サポートプラン/税込)

HALを実際に導入している施設で行われた調査についての記事もありますので、合わせてご覧ください。

介護用アシストスーツの使用効果 ーマッスルスーツ・HALの導入施設調査からー

2.マッスルスーツEvery

マッスルスーツEveryはHALに次いで有名な介護用アシストスーツです。

空気圧でふくらんだ人工筋肉の反発力で介助をアシストします。電力を使用しないためバッテリー切れの心配がありません。

マッスルスーツEveryにはソフトフィットとタイトフィットの2タイプがあり、タイトフィットが介護向け製品とされています。

  • タイプ:パッシブ 
  • 公式サイト:https://musclesuit.co.jp/product/
  • 装着タイプ:肩から腿にかけて装着
  • 動力:圧縮空気
  • 防水機能:あり
  • 重量:3.8㎏
  • 価格:149,600円(税込)

3.レイボ エクソスケルトン

レイボ(Laevo)エクソスケルトンは腰をかがめるときに発生するパワーを蓄え、そのパワーを再び身体を起こす際に利用する「エネルギー回生システム」を採用した介護用アシストスーツです。

  • タイプ:パッシブ 
  • 公式サイト:https://laevo.jp/
  • 装着タイプ:肩から腰にかけて装着
  • 動力:エネルギー回生システム
  • 防水機能:あり
  • 重量:2.8㎏
  • 価格:要問合せ

4.PAIS-B100

PAIS-B100はモーターの過剰なアシストを制限し、介護者がより安全に介助できるように配慮された介護用アシストスーツです。

電磁ブレーキにて中腰作業時の姿勢保持をアシストできるため、適切なタイミングで身体移動が行えます。

  • タイプ:アクティブ
  • 公式サイト:https://pai.co.jp/product/pais-b100/
  • 装着タイプ:肩から腿にかけて装着
  • 動力:バッテリー
  • 防水機能:あり
  • 重量:4.4㎏
  • 価格:600,000円(税込)

5.楽衛門(らくえもん)

楽衛門(らくえもん)はメーカー独自開発の超ハイパワーゴムの復元力を使って上体を起こす仕組みの介護支援器具です。

ロボット機能は付いていませんが、軽量かつ10秒で脱着できる利便性に加え、選択可能な素材を使用している点が衛生的にも評価できるため、今回紹介させて頂きます。

  • タイプ:パッシブ 
  • 公式サイト:https://rakuemon.jp/
  • 装着タイプ:肩から腿にかけて装着
  • 動力:超ハイパワーゴム
  • 防水機能:あり
  • 重量:800g
  • 価格:38,000円(税込)

6.サポートジャケットBb+FIT(SLIM)

サポートジャケットBb+FITは第二の背骨Bb+(バックボーン)が良い姿勢に導き、もも裏にある伸縮性のマッスルベルトが前屈や起き上がりを補助するアシストスーツです。介助時の肉体負担を軽減するアシスト器具としては破格とも言える31,900円(税込)の価格が魅力的と言えます。

介護ロボットスーツの導入を検討したけれどコスト面で断念した方におすすめです。

介護用アシストスーツ導入で補助金が出る

上記で紹介した6製品の価格を見てもわかるとおり、介護用アシストスーツの導入にはそれなりの費用がかかります。

介護用アシストスーツを導入する介護事業所には補助金が支給されますので、コストの関係で導入をためらっている介護事業所は、補助金がうまく適用できないか確認してみましょう。

以下の記事は介護ロボットもしくはICT機器の導入で使える、2021年8月時点の国と自治体の補助金事業の紹介です。検討にあたっては必ず現時点の最新情報を確認してください。
介護関連のICT補助金事業を国と自治体に分けて紹介【2021年8月最新情報】

まとめ

今回は介護用アシストスーツについて説明しながら、おすすめの6製品を紹介しました。

介護用アシストスーツは、介護者の肉体疲労を軽減し、介護者が長く介護を続けられるよう手助けしてくれる存在です。腰痛に悩まされている介護職員や在宅介護者は、ぜひ利用を検討してみましょう。

アシストスーツは介護職員だけでなく高齢者が装着することで得られるメリットもあるそうです。

以下の記事で詳しく紹介していますので、是非ご覧ください。

アシストスーツは高齢者のADL低下予防にも役に立つ