【HitomeQ】介護の現場をDXする コニカミノルタQOLソリューションズ代表・三浦雅範氏インタビュー(前編)

【HitomeQ】介護の現場をDXする コニカミノルタQOLソリューションズ代表・三浦雅範氏インタビュー(前編)

カメラ技術を活かし大きな社会課題に立ち向かう

コニカミノルタのDNA

HitomeQを始められた経緯を教えていただけますか?

皆さんご存知の通り、コニカミノルタという会社は元々、コニカというカメラフィルムの会社、ミノルタというカメラの会社の二つが2003年に経営統合して出来ました。ミノルタカメラは、業界のみならず一般ユーザーの間でも人気を博したα7000というオートフォーカスの一眼レフを世に出した会社です。

ただし統合して3年経った2006年には、カメラフィルム事業、カメラ事業、共に事業を撤退しています。この両方撤退した大きな理由はやはりデジタルディスラプションです。

※デジタルディスラプション・・・デジタル技術がもたらす破壊的イノベーションのこと

1995年にカシオ計算機さんからデジタルカメラが世に出て、あっという間にカメラの主流はアナログからデジタルに変わりました。私どももデジタルの方に舵を切りましたが、ご存知の通り2008年にiPhoneが台頭して、デジタルカメラも主流から外れました。

ただしコニカミノルタという会社、特に幹部クラスは「事業を大きなスパンで見たときには、必ず寿命がある」「その時どう乗り越えていくか」というDNAを持っています。
「カメラの技術を生かして、次の新しい新規事業を生み出していく」という流れが、今回の介護に向けたHitomeQを開発したベースになります。

コニカミノルタQOLソリューションズ代表・三浦雅範氏近影2

市場動向を分析、顧客起点でマーケティング

いきなり私どものようなカメラの会社が介護の世界というと、あまりにも飛び地のように思われると思います。
しかし、世界的な技術動向、世の中の動向、業界動向を分析しながら、どんな社会課題および産業用途に我々のカメラの技術がマッチングするかを見ていきました。その中で行き着いたテーマが、介護の業界でした。

介護は日本がまさしく課題先進国ではありますが、追随して少子高齢化、特に高齢化の点で考えると、ワールドワイドに他国でも遅かれ早かれ問題になります。
高齢化による問題は、単純に高齢者の受け皿であったりだとか、介護人材不足の問題等もありますが、何よりも、介護が原因で離職する方も非常に増えてきます。

雇用者数の将来推計(内閣府資料「介護離職の現場と課題(大和総研作成)」より引用)
雇用者数の将来推計(内閣府資料「介護離職の現場と課題(大和総研作成)」より引用)

日本の経済を支えているような経営層の方々においても、担わなければならない、あるいは避けられない大きな課題です。すなわち、日本の経済力を、ある意味衰退させる可能性があります。

そのような大きな視座での社会課題という形で取り上げ分析し、取り組んだのがHitomeQということになります。

初めは、私どもはメーカーなので、どうしてもテクノロジードリブンで考えてしまいがちでした。ただ、なかなかテクノロジードリブンでは新規事業を起こすことは出来ませんでした。そういった経緯で、R&D(研究開発部門)の中にマーケティング部という顧客起点でのアプローチを導入しました。私がその初代マネージャーです。

顧客起点のマーケティングにより、社会動向からターゲットの市場として介護を導き出しました。それから我々の差別化技術という観点で「画像の技術を生かすということ」、そして「その業界において何が課題か」を徹底的に人基準でデザイン思考に基づいて見つけ、始めたのです。

■トピックのまとめ

  • カメラ事業の次に取り組む新事業として介護業界を選んだ
  • 大きな視座で社会課題をとらえ、顧客起点でマーケティングを行った

▶︎▶︎NEXT 顧客起点とトライアンドエラーの末に見えたもの